2025Daytona
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今年のテーマは「飛躍」と「着実」。デイトナの商品開発巻頭 P.05冬の澄んだ空気の中で、息のあったペースで国道1号線(浜名バイパス)を駆け抜けるふたり。2024年3月にオープンした、初の直営店となるマックスフリッツ浜松店にて。辻内:ハハハ。ライダーのコミュニティを盛り上げるには今のノリが適しているかなと。個人的にも YouTubeチャンネル『デイトナ!ライドアバイク!!』など拝見していますよ。 織田:そうそう、その『デイトナ! ライドアバイク!!』は今年1月から静岡県西部のコミュニティFM局「FM Haro!」にスピンオフしています。「バイクでレディオ」という番組です。 辻内:これまたイベントと同様、どんどん幅が広がっていますね。デイトナが何の会社であったか忘れてしまいそうですが(笑)。 織田:皆それぞれ主業務をしっかりやりつつ、オンラインとオフラインの両方でライダーの皆さんが楽しめる場を育てていこうと取り組んでいます。辻内:さて今日はデイトナのライディングギアに身を包み、インカムをつなげてツーリングを楽しませていただきました。恥ずかしながら久々に最新のジャケットを着て走ったのですが、実に快適ですね。軽く、それでいて風でバタつくこともなく、そしてもちろん暖かい。 織田:そうでしょう。これは2022年5月からデイトナグループに加わったアパレルブランド「マックスフリッツ」の影響が大きいんです。プロデューサーの佐藤義幸さんが、デイトナブランドのウエアも監修していて。デザイナー/パタンナーとして実績豊富な佐藤さんが、日々バイクに乗りながら磨き上げてきたノウハウ。これを盛り込みつつ、デイトナとして市場に受け入れられる価格の商品に落とし込むことができるようになってきました。 辻内:事業の継続性と販売網の強化を考えたマックスフリッツと、アパレル領域を強化したいデイトナ。双方がシナジーを確信してのM&Aだったと聞いています。3年が経つ今、その果実が得られたということですね。 織田:デイトナのライディングギア開発も紆余曲折ありましたが、いよいよここからです。そこでライディングギアを手掛けるグループは今年のキーワードを「飛躍」としています。今年は良いタイミングだから、飛躍に結び付くことをしようと。 辻内:「飛躍」を日々の行動指針に落とし込むのですね。 織田:そう、そこから先は、落とし込みと実際の行動は各々に任せていますが。 辻内:自主性を重んじる、と。 織田:「楽しんで仕事できなければ趣味の道具は提供できない」というのが私の考えです。やはり趣味の道具を提供している会社ですからね。自ら楽しみ主体的に仕事していないと、お客様に楽しんでいただくことはできないでしょう。 辻内:腑に落ちます。ところでデイトナといえば、私自身が初めて購入した製品は原付のチューニング系パーツでした。現在のようにツーリング用品を主軸とするようになったのは? 織田:2010年頃が転換期でした。1980年代後半から2000年代まで、いわばブームに乗ってデイトナは成長できた。スティードやTW、ビッグスクーターといった人気車種に向けて開発したカスタムパーツを軸にしていた訳です。一時期はカスタムパーツ部門だけで「ハーレーアメリカン」「スクーター」「4ストミニ」「ビッグバイク」という四つのグループがあったんですよ。 辻内:それが現在はないのですか? 織田:カスタムとして一つに統合しました。他に先述のライディングギアのほか、メンテナンス/リプレイス系、ツーリング/バイクガレージというグループ構成になっています。 辻内:約15年前に何があったのでしょうか。 織田:売るものがなくなったんです。 遠州ツーリング対談 デイトナ代表取締役 織田哲司 X 二輪車新聞 辻内 圭

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