長い歴史の中にその身を置いてみる。自然を五感でダイレクトに感じられるのは、バイクならではの醍醐味である。紅葉を横目にゆったり走らせると、秋の息吹とエンジンの鼓動が心地よく感じられた。デイトナ本社が立地する静岡県森町は「遠州の小京都」と呼ばれている。三方を山に囲まれ、南北に太田川が流れる地勢と、飛鳥時代より受け継ぐ舞楽や焼き物、多くの社寺が残る伝統文化が根付くまち。その景観と歴史的背景が京都に通じるところが由来である。江戸期には火伏の神である秋葉神社への宿場町として栄え、旅の疲れを癒す旅籠宿が軒を連ねていた。古着市が立つまちとして全国に名を馳せたという街並みは、今でも土蔵や連子窓をはめ込んだ家屋が、往時の面影を色濃く残している。今回は、まちの長い歴史の営みを感じつつ、のんびりと「W230」を走らせた。旅のスタートは小國神社から。遠江国一宮として、いにしえより地域の守護を司る存在である。鳥居をくぐると緑に包まれた静寂な参道が続いている。樹齢数百年の杉や檜の巨木が、厳かに神域へといざなっている。太古から変わらぬ清涼な空気が漂い、足元の砂利を踏む音だけが響いてくる。ただそこに身を置くだけで、穏やかに心が整っていくようだ。今度は一宮川沿いをゆっくりと歩いてみる。色づきはじめた紅葉が、ところどころを朱にK-7小國神社〜バイクの森遠州森町
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